染色体異常不育症(2)染色体異常不育症 <原因> 両親の染色体(遺伝子の集合体)異常が胎児に遺伝して、 出生しても生存できない核型になるために免疫的に自然淘汰される流産。 多くの人は、染色体異常と聞くとすぐに ダウン症候群(21番染色体トリソミー)を想起するでしょう。 しかし、同症の場合はほとんど両親の染色体の核型は 正常ですから遺伝ではありません。 胎児の染色体がトリソミー(同番の染色体が三本存在する)や モノソミー(一本しかない)の流産は遺伝ではないのです。 詳しい原因は不明ですが卵子の異常や環境因子が関係している と考えられています。 不育症の原因となる染色体異常は転座です。 生物は遺伝子の数が多くても少なくても生存できません。 なかでもヒト科の動物は1番から22番までの常染色体が重要です。 21番のトリソミー以外は生存できないと考えられています。 転座は染色体には過不足がありません。 遺伝子が引っ越し(転座)した染色体異常です。 <検査> 染色体検査(夫婦;保険適応になります)。 転座の確率は全不育症の5%程度で、不育症の原因としては 多いものではありません。 <治療> なし ただし、偶発流産で正常染色体胎児を失わないように、 出生可能児の妊娠確率を熟知したうえで“通信簿療法”を 徹底しなければなりません。 治療法がないという理由で染色体検査を嫌がる患者さんが 少なくありません。 ここでも染色体異常に対する日本人の強い差別感が根底にあります。 しかし、確率は低率ですがこの検査を行わないと、 この後に述べる不育症の治療を行ったにもかかわらず 流産に終わった場合に治療の正否が判断できない事があります。 染色体検査は必要です。現実から逃げてはいけません。 ジャンル別一覧
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